逃避型うつ(非定型・新型)

突然ですが、「うつになりやすい性格」というものがあります。
一つをメランコリー型うつ、もう一つを逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)と言います。

逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)

自信が無い緊張しやすいタイプ(非定形型)もともと他人の顔色を窺ったりする傾向がある人です。
自分が他人からどう見られているかを気にし、常に人の顔色を窺い、「いい子」でありたいという気持ちを強く持っています。
他人の評価が気にって不安になるということもあり、人見知りが激しかったり、人前では緊張しやすいなど、対人恐怖症の一面も持っています。

逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)は、20代から30代でかかるうつに最も多く見られます。
特に、20代から30代の女性が発症する可能性が高く、その8割がこの逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)であると言われています。
最近は若い男性にも見られますが、逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)の7割は女性だと言われています。

また、逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)は、うつ全体の中でも決して少数派ではありません。
うつ全体の3割を占めているタイプで、今後この割合は増えていく傾向になると思われます。


逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)の特徴
  • イライラした気分になり、集中力が散漫になってしまい、仕事などが手に付かなくなってしまう
  • 人間関係でトラブルが起きやすくなり、激しい感情を他人にぶつけてしまったりする
  • 何か楽しいこと、例えば映画を観にいくことや自分の趣味などに対しては気分が良くなる
  • 落ち込み度が激しい
  • 憂うつな気分はあるものの、自分の好きなことに対しては、元気が出る、明るくなる
  • 嫌なことには必要以上に落ち込んで憂うつ感もひどくなり、各出来事に対して気分が変わりやすい「気分の反応性」が見られる
  • いくら寝ても寝ても寝足りない
    1日10時間以上も睡眠を取っているにもかかわらず、昼間にも眠気を感じてしまうという睡眠傾向にある
  • 過食ぎみになる
    食べることで気分を紛らわし、特に甘いものが食べたくなり発作的に食べる傾向にある
    過食症とまではいかないが、体重が増加してしまう
  • 手足に重~い鉛が付いたように体が重く感じてしまう「鉛様まひ」があり、ぐったりとした体の感覚を持ってしまうことが多い

逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)の対応策
逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)は、規則正しい生活リズムを作ることが重要になります。
特に、昼間に目的を持って活動することが逃避型うつの改善にもつながります。
そのため、気分や症状が落ち着いたら、昼間に活動することを心がける必要があります。

逃避型うつを改善するには、可能であれば、昼間仕事に出かけ、時間通りに仕事に取り組むことが必要となってきます。
やらなければならないことがあり、それにしっかり取り組むことで、体内のリズムを正常に近づけてくれます。

好きなことだけに集中して取り組んでいては、いつまでたっても睡眠と覚醒のリズムが整わず、逆効果になってしまいます。
そして、朝起きたら「今日はこれをしよう」「何かをやり遂げよう」と、その日の目標を明確に持ち毎日を生きることが大切です。

大きな目標は、その目標に達しない時に「やっぱり私には無理だ」という気分にさせてしまうので、逆効果になってしまいます。
逃避型うつの場合、小さな目標、例えば「今日はこの本を読んでみよう」などの小さなものから始めてみればいいのです。
「何かをしなければならない」という小さな目標は、自分自身で行動の自覚をし、昼間の眠気を失くすことに大いに役立つのです。
それが、生活のリズムを整える重要な役割を果たすことになるのです。

また、規則正しい生活をすることは、逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)の改善に役立ちます。
気分と症状がある程度落ち着いてから、朝、決まった時間にしっかりと目覚め、布団から出ることが重要になります。
一日中だらだらと食べるのではなく、三食をしっかりと決めた時間に食べることを習慣づけることも大切です。

そして何より、夜更かしをするのではなく、少なくとも夜の11時を過ぎたら必ず布団に入るということです。
ただ、無理していきなり規則正しい生活をするのは逆効果になりますので、少しずつ生活リズムを戻していく感じで行ってくださいね。

規則正しい生活の基本である人間の体内のリズムは、朝起きて、朝日を浴びるところから調整されます。
目に朝の光が入ると、メラトニンという脳から出る睡眠物質の分泌を抑制し、睡眠の状態がリセットされます。
これによって、体のリズムが1日24時間という当たり前のサイクルに整います。
逃避型うつの人には、必ず朝の光を浴びて体内のリズムをリセットすることが何よりも特効薬といえるでしょう。

睡眠のリズムが狂い、1日中眠くて仕方が無い状態を少しでも改善しようとするならば、体を動かすことも重要です。
体を動かすのは、「ゼーゼー、ハーハー」と息が乱れる運動でもなければ、フィットネスクラブに通って激しい運動のことでもありません。
ただ日常的に体を動かせば良いのです。
掃除や、片付けをすることでも体内のリズムは整うのです。

「今日は机の上をきれいにしよう」という小さな目標が達成感に繋がり、リズムの調整にも役立ちます。
また、体を動かしている姿を周囲の人が見ることで、自分自身も安心することができ、人間関係の改善にも繋がるので、あなた自身の気分も良くなります。

しかし、この逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)は他の精神的な病気との合併もあり、パニック障害などを引き起こすこともあります。
そのような合併症にならないためにも、体内リズムを整えることが重要なポイントになります。

自分自身で改善に努めてもなかなか症状が改善されない場合は、きちんと専門医を受診する必要があります。
生活の乱れ、体内リズムの乱れだけの話ではなく、逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)はうつなのですから、医師の専門的診断を受け、適切な処置をしなければなりません。

特に、逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)は、薬物療法が中心となってくるので、薬を飲むことに不安や拒否感のある人は、主治医と納得が行くまで話し合う必要があります。
薬物療法の重要性をしっかり理解することが、逃避型うつ(非定型うつ・新型うつ)を治すのに必要になってきます。


うつになりやすい性格とは?

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2010年4月30日
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