薬の種類を知ろう
脳内では、行動や感情をコントロールする神経伝達物質があります。
例えば、気分を明るくする「セロトニン」や、やる気を起こさせる「ドーパミン」「ノルアドレナリン」です。
この神経伝達物質が減ってくると、思考や感情の働きも鈍くなってきてしまいます。
うつは、この脳の伝達物質がうまく働かなくなっているため、伝達不足を起こしているものを薬で補っています。
抗うつ剤
薬の誕生から、3世代にわたってどんどん新しいものが開発され、より副作用の少ない安全性の高い薬が使われるようになりました。
安心して治療に臨むためにも、抗うつ剤を使用することをためらわず、主治医の指示に従いましょう。
抗うつ剤を使うことが必要ならば、怖がらずに使用することが回復に向かう1歩だと言えるでしょう。
抗うつ剤は、新しい薬ほど副作用が少なくなり、80年代以降に開発された「選択的セレトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」や「選択的セレトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)」が開発、使用されるようになって、より副作用が少なくなり、安全性が高い薬として全世界で使われています。
これらの抗うつ剤は、99年以降になってようやく日本で認可が下り、うつの治療現場に導入されました。
主にセロトニン・ノルアドレナリン両方に作用するもの
三環系抗うつ薬
欝の症状の改善の効果が高いのですが、口の渇きなどの副作用が強く、効果が現れるのが遅いといわれている薬です。代表的な薬の名前:
イミプラミン・クロミプラン・アミトリプチリン・ノルトリプチリン・アモキサピンなど主にセロトニン・ノルアドレナリン両方に作用するもの
四環系抗うつ薬
三環系の抗うつ薬よりも副作用が少ない薬の代表として知られています。代表的な薬の名前:
マプロチリン・ミアンセリン・セチプチンななどセロトニンに作用
SSRI
80年代以降に取り入れられた抗うつ薬として最近よく使われるのが、SSRIです。
セロトニンが神経細胞に再取り込みされるのを阻害し、セロトニンの働きを高める薬です。
うつ以外にも、パニック障害や摂食障害の改善にも使用される薬です。代表的な薬の名前:
フルボキサミン・ジェイゾロフトなどセロトニン・ノルアドレナリンの両方に作用
SNRI
世界的に使われている薬です。
セロトニン・ノルアドレナリンが神経細胞に再び過剰に取り込まれるのを阻害し、セロトニンとノルアドレナリンの働きを高める薬です。代表的な薬の名前:
ミルナシプランなど
抗不安薬
不安やイライラ・恐怖といった症状を緩和させる作用があります。
睡眠時の緊張を取るために睡眠剤として利用されることもあります。
日本で一般的に使用されるものは、ベンゾチアジピン系です。
- ベンゾチアジピン系
抗うつ薬とちがって即効性があることが何よりの利点です。
しかし、濫用することで依存性が生じる恐れがあります。
代表的な薬の名前:
デパス・ソラナックス・セルシン・メイラックス・セパゾン・レキタソン・コンスタンなど - チエノジアゼピン系
神経症や心身症、不眠際の睡眠導入剤に用いられます。代表的な薬の名前:
アタラックスP・アトラキシンなど
睡眠薬
うつでは、睡眠障害の訴えが非常に多くなります。
現在使われているのはベンゾチアジピン系、次いで非ベンゾチアゼピン系の睡眠薬です。
- ベンゾチアジピン系催眠薬
催眠・抗不安・筋弛緩・抗けいれん作用などがあり、抗不安薬としても使われています。代表的な薬の名前:
ハルシオン・ドルミカム・レンドルミン・リスミー・ベンゼリン・ダルメート・ユーロジン・ソメリン - 非ベンゾチアゼピン系
ベンゾチアジピン系催眠薬より脱力やふらつきなどの副作用があまりありません。代表的な薬の名前:
セディール・アタラックス・アタラックスPなど
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